カフェ案内:2番目のテーブル

胡麻周辺グルメ
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1980年岡山生まれ。ローカルビジネスを応援するデザイン事務所「GOMA」クリエイティブディレクター。京都の胡麻で築70年の古民家をリノベーション、デザイン事務所と一棟貸しゲストハウスを運営しながら育児に奮闘中の40代。ライター名きのこ。

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南丹胡麻周辺のおすすめ紹介ブログ『gomanote』です。

今回は胡麻のとなり、京丹波町。カフェの新店オープンがつづく同町の中でも注目されている「2番目のテーブル」をご紹介します。

「好き」を集めた心地よい空間

お店は、手入れが行き届いた一軒家

同店は、道の駅・丹波マーケスの近くに、2022年8月6日オープンしました。店を切り盛りするのは、平井由己(ひらい・ゆみ)さん。

一番大事なのは、おうちの食卓。ここが2番目の存在になってほしいという願いを込めて「2番目のテーブル」と名付けました。

古民家の良さを活かしながら、カフェとして営業しやすいようにリノベーション。ゆっくり過ごしてほしいと、ゆとりのあるレイアウトにしました。窓から見える、田舎の景色に癒やされます。

家具や器、絵本など、ゆみさんの好きなものを集めました。

和洋のミックス具合が美しい店内

しつらえや調度品にしっくりなじむ机や椅子(一部)は「SEED Antiques」で調達。亀岡・千代川のお店で、アンティーク好きに一目置かれるお店です。

全体的にくすんだ色味と、外の自然が目に優しく、日本家屋に少しずつ集めたという古い器たちが見事に調和しています。

自分の好きな場所で、自分の好きな空間をつくるために「好き」を集めることにこだわりました。

季節の食材と自家製酵母のパンでもてなし

クロックマダム

営業は週に3日で、日・月・土曜日(月により変動あり)。たまにイベント営業の日もあります。メニューは「クロックマダム」「たまごトースト」「BLTサンド」など。スープとサラダがついていますが単品注文もOK。

訪問時の季節メニュー「いちじくのタルティーヌ」

すべてゆみさんの手づくりで、特にパンがおいしい!20年継ぎ足し育てている自家製酵母が使われていてもちもち。食材とのバランスがよく、優しい味わいです。

食材はできる限り地元産のものが使われており、近くの朝市などで購入するそう。どの料理も丁寧に作られているのはもちろんですが、素材の旨味を最大限に引き出し、豊かな味が生み出されています。

古民家との出会いがあったから

1日中、本を読みながらすごすお客さまもいるとか

料理の質の高さや洗練された雰囲気。オープンして2ヶ月とは思えません。それもそのはず、ゆみさんがカフェで仕事をしはじめたのは、ここが最初ではないからです。

京都市内の「北山紅茶館」でスタッフとして13年勤務ののち、2019年3月より出町柳にある「リバーサイドカフェ」(曜日や時間帯で店長が変わるシェアカフェ)で「あたーぼ」(仏語で「ごはんですよ。」の意味)をスタート。

京都市内でお店を持ったのに、京丹波でもカフェをオープンしたのはなぜか。それは工務店との出会いでした。

2021年秋に自宅の改装をするにあたり、工務店の親族が住んでいた家に仮住まいすることになったのですが、それがこの建物でした。

窓からは京丹波の田畑が眺められる

長い間空き家でしたが、すぐ住めるほど大事に保管されていたことと、窓からの景色に惚れ込み、ここがカフェなら素敵だろうと考えはじめます。

悩んだ末、まわりや工務店の協力もあり決心。「この家に出会わなければ、京丹波でカフェをしようとは思わなかった」ゆみさんはそう語ります。

きっかけは母娘旅行

ひとことひとことを、大切に語ってくださるゆみさん

北山紅茶館で長らく働いていたゆみさんが、自分の店を持ちたいと思うきっかけになったのは、娘・ももさんとの2週間にわたるフランス旅行でした。それまでは自分のことより、家庭や家族を優先していたゆみさん。やりたいことがあっても、はじめから無理だろうと思い込んでいました。

ですが、長旅でさまざまな経験をするうち「やりたいことをやるには、やらなくてはいけないことをやればいい」ことに気づいたといいます。また、「子どもが初めて知って、いろんなことを吸収するかのように、たくさんのことを知れた」のが新鮮だったそう。

自分のためにお店をやりたい!ももさんや周りの助けを借りて、開店させたのが「あたーぼ」。そして今年、2番目のテーブルもはじめることとなったのです。

おいしい料理と、優しくおだやかなゆみさんにはファンがたくさん。京都市内から、本数の少ないJRとバスを乗り継いで来店するお客さまも多いそうで、いかにファンが多いかがわかります。

さりげなくゆみさんの似顔絵が飾られている

ゆみさんの実家は自営業で、大家族と従業員が出入りしていました。小学校1年生のころには10人分の味噌汁とご飯を炊くのが仕事で、料理は生活の一部。そんな状況でも、辛いより楽しい気持ちの方が強かったそうです。

お母さまは現在81歳。現役で定食屋を切り盛りしているそうで、ゆみさんは「私も場所があれば、母のように長く働きたい」と考えています。

「料理はたのしい」を伝えたい

玄関のショーケースには焼き菓子などが並ぶ。テイクアウトのみの購入も可能。

今後どうしたいかをお聞きすると、子育てママがストレスなく料理できるレシピを伝えていきたいという答えが返ってきました。

時に苦痛にとらわれる料理ですが、自分が経験してきた楽しい思いを伝えたい。ママの楽しく料理をしている姿を見ると、子どももうれしくて楽しく感じるはず。その循環を増やしたいのだそう。

自前の調味料を持ち寄って使い、ほかの人の調味料を組み合わせるとどんな味になるか試すなど、実験のような場をつくることも考えています。
料理は楽しみながら自由に作っていいんだ、という体験を持ち帰ってもらうのが狙いです。

料理以外では、好きなアーティストを呼んでライブをしたいそう。「この空間で、あの人のギターを聞きたいってのがあるんです」とはずんだ声で語ってくださったゆみさん。

料理をベースに、つながりや大きな広がりを感じる2番目のテーブル。これからの進化を、応援していきたいと思います。

Information

住所:京都府船井郡京丹波町上野北垣内50
営業日:不定期 ※インスタグラムで毎月営業カレンダーを公開
営業時間:日・土曜日 10:00〜17:00、月曜日 10:00〜16:00
アクセス:GOMAより車で約10分
JR山陰線 園部駅よりJRバス、または胡麻駅から町営コミュニティバス
Instagram:@ladeuxiemetable

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