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五感をくすぐる胡麻時間、いい空気に触れる旅。

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インタビュー:谷口農園15代目 ひかりちゃん

胡麻で暮らす、魅力あるひとにローカルライター デブ子デラックスがインタビュー。今回は「谷口農園」の谷口光里(たにぐち・ひかり)さんにお話を伺います。

胡麻で15代続く「谷口農園」は、壬生菜やお米を主に生産している専業農家です。谷口光里さんは現在26歳。自ら跡を継ごうと、大学を経て日本農業経営大学校で農業経営を学び帰郷。農業をビジネスととらえ、日々奮闘しています。

バスケに夢中な少女、山形の高校へ進学

光里さんは生まれも育ちも胡麻。3人きょうだいで、兄と妹がいます。小学校3年生から中学卒業まで、バスケットに打ち込むスポーツ少女でした。祖父母と両親は専業農家で忙しい日々。農閑期の冬場以外は、旅行にも行けないほどでした。

小学生の頃から看護師になりたかったものの、高校は山形の高校へ。中学生の時に学校見学へ行く機会があり、胡麻よりも自然が多いことに魅力を感じ進学を決断します。普通科高校でしたが、校内で牛や豚を飼育していたり、パンを作るなど食品加工の部活があったりと、農芸高校のような学風だったといいます。

関西の大学へ進学しますが、以前から興味があった死生学や悲嘆学が勉強したいと、福祉学を専攻します。その後、看護学科のある大学へ編入する計画でした。

農業経営のノウハウを学びに東京へ

光里さんは農業は嫌いではありませんが、大学に入学した頃は継ぐ気はありませんでした。7歳年上のお兄さんが農芸高校、農大へ進んだので、家業を継ぐだろうと思っていたからです。ですがお兄さんが継がないことがわかり、光里さん自身も、看護師より食に直接関わる仕事への興味が強くなり方向転換。実家が農業という環境を活かしたいと、大学卒業後に日本農業経営大学校へ進みます。大学校は校名の通り、農業経営をメインに学ぶ学校で、農業版MBAを目指しているほど。栽培技術はお父さまに勝てないので、経営を学び家業に役立てようとの思いからでした。

2年間の東京生活ののちUターン。収穫できなければ経営は成り立たないから、栽培技術を磨きたくさん収穫することが大事と思っていましたが、消費者のことを考えることが大事と痛感したとか。

谷口農園は祖父母と両親、光里さんの5人で切り盛りしていますが、個人事業主としても独立していて、光里さん名義で栗の苗木を購入し育てています。

栗は実がなるまで3年、出荷できるまで5年かかるといわれ、壬生菜などに比べ時間がかかります。ですが、ゆっくり成長する作物に挑戦したかったこと、農閑期の冬に世話ができ、大きな機械を使わずに栽培できるため、女性ひとりでも作業しやすい点が導入する決め手だったといいます。

また栗は、丹波地域の特産品として名高いですが、シェアは全国で1%ほどと知名度が低いのだそう。しかも生産量は年々減っていて、少しでも残したいとの気持ちが強かったのも理由のひとつ。
現在は90本を栽培していますが、収益を出すには400本必要だそう。家業をこなしながら無理のない範囲で増やしていく予定です。

栗の栽培のほか、他の家の田植えや収穫を代行する「作業受託」も行っていて、3ヘクタールほどを管理。できることを積極的に行っています。

農業にも働き方改革を

生きることは食べること。生きていくために食は必要で、農業は欠かせない仕事です。これからの農業に大切なのは、いかに効率や生産性を上げていくかで、農業にも「働き方改革」が求められています。改革がないと次の世代が農業をしてくれないし、一般の職業並みに働けて稼げる仕組みにしないと、魅力ある仕事にならない……光里さんは、現状に危機感を感じています。また、次の世代につなぐ環境をつくるのが、今の農家に必要なミッションで使命。そのためには、稼いで生活ができる仕事として成り立たせるモデルを作りたいとも語ります。

ブラックなイメージが強い農業ですが、通勤時間はないし、農閑期は好きな時に休みが取れ、海外旅行に行くことも可能。ストレス社会の中で、複雑な人間関係に縛られず生活ができる…今のニーズに合ったメリットも伝えていきたいとも思っています。

そして何よりの魅力は、達成感が大きいこと。「自分が種をまいて育てた作物が収穫を迎えると、すごくうれしいです。手をかけた分愛情が湧くじゃないですけど。ようやくお金に変わるという実感もうれしい!」と顔をほころばせる表情が印象的でした。

胡麻の魅力とこれからのこと

「生活は完全に田舎な感じだけど程よいし、京都市内へ1時間で行けるのは便利」なのが胡麻の魅力と答えてくれた光里さん。また、お米でも枝豆でも作物は何でもおいしいと、農業人らしい言葉もいただきました。

現在胡麻産の食材が買えるのは、JR胡麻駅構内の「胡麻屋」や「道の駅 スプリングスひよし」程度で、もっと買えるお店やきっかけを作りたいというのも光里さんの目標。もっと若い人に遊びにきてもらいたい、そのためには訪れたいと思える魅力を作りたい。

個人事業主としては、5年後をめどに栗の木を400本に増やしたい。今農園で作っているものは京都市内での流通がほとんどで、お金も市内に流れている。もっと地元で循環させる仕組みを作りたい。胡麻で農業をしたい人を増やし育てる。そして独立10年目以降は、新規就農者を育てる側に立ちたい…。光里さんの夢は限りなく広がります。

体験プログラムとしてスタートした「収穫&ピザ作り」も、若者を呼ぶための新たな取り組み。本格稼働はこれからですが、若い感性のプランはきっと受け入れられることでしょう。

自分のやりたいことを起こすために、若くして独立した光里さん。新常識やトレンドを取り入れながら、経営基盤をきちんと築き進む姿に、農業も捨てたもんじゃないと明るい未来を感じます。光里さんのビジネスモデルが魅力的!真似てみたい!と、農業を始める人の目標になることを祈っています。

【谷口農園 野菜収穫とピザ体験】

収穫体験とピザ作りが同時に楽しめるプログラムです。谷口農園の採れたて野菜で、焼きたてのおいしいピザを味わってください。野菜のお土産付き。
日時:予約に応じて
場所:谷口農園(京都府南丹市日吉町胡麻熊17)
体験料:2名・3,500円/3〜6名・2,500円/小学生・1,500円/小学生未満・無料(いずれも1名あたりの価格で税別)
持ち物:汚れてもいい服装、手ぬぐい
その他:
・ランチタイムかディナータイムをお選びください
・帽子、日焼け止めや虫除けは適時ご用意ください
・サンダルやヒールでは参加できません。
予約:GOMAへ宿泊予約と同時に申し込み

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